COLUMNコラム

更新日:2016.11.11

第52回 公認会計士が伝えるクリニック経営の節税ポイント(前編)

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のびしろ会計事務所 朴賢大です。
公認会計士・税理士として、クリニックを経営面でお手伝いしております。
今回は、「開院時での節税・資金対策」をテーマに、開業前に知っておいていただきたいことをお話しさせていただきます。
 

m_e_title_126  開院の目標

 
まず初めに、漠然とでも結構ですので、「なぜクリニックを開院したいのか」目標をもっておくことが、開業を満足に進めるためには必要です。開院後にクリニックを継続的に運営していくことが本来の目的です。開院すること自体は目的を達成するための通過点に過ぎません。
しかしながら、開院にいたるまでの道のりは長く、目的意識がはっきりしていない場合、色々な場面で迷いが生じます。迷ったところはたいてい、開院後の運営にツケがまわることが多いです。
最初からキッチリと決めようとすると中々決まりません。まずは漠然とで結構です。とっかかりとして5W1Hが役に立つでしょう。
例えば、どういった疾患(What)のある、どのような患者さん(Who)を、どこで(Where)、どのような方法で(How)、いつからいつまで(when)、診療したいのか、そしてなぜそう思うのか(Why)、を考えてみると、モノゴトが整理されて思考しやすいと思います。
 

m_e_title_126 立地

 
来院される患者さんの大半は、近隣にお住まいの方です。
より患者さんが見込める場所で開院することは、医院の収入を決める上で重要なファクターとなります。診療圏調査は必ず実施しましょう。はじめから希望する立地がある場合、例えば親族から土地を安く賃借できたり、テナントを安く借りられたりするのであれば、そちらを使われるのもよいでしょう。そういった立地に関する条件が無い場合、どこで開業すれば患者数が見込めるか、地域全体を見渡して決定することをお勧めします。
例えば下記は、精神科・心療内科の開院に際して、見込患者数と競合医院、連携病院をマッピングした地図です。国勢調査や患者調査、保険医療機関などの各種データを用いて、患者さんをより多く見込めそうな場所を定量的に探し出すことができます。
下記例では、博多区や早良区のいくつかの立地が、見込患者数、競合診療所などの面から比較的好条件の立地として算出されました。まずはこれらの立地に当たりを付けて、道路状況や往来の量など、詳細な検討を行っていくと、より効率的に良い立地を探し出すことができるのではないでしょうか。
表②
表③
 
 

m_e_title_126 節税

 
開院当初はさして税金で悩まされることは無いでしょう。
というのも、税金が多額に発生するほどの収入が得られることは少なく、また、経費も最初は多くかかるためです。開院時に行う節税は、今年の節税というよりは、将来利益があがるようになったときのための「仕込み」としての節税です。
開院の段階で検討すべき節税は、以下の2点です。
① 個人か法人か、今後の方針
② 固定資産の処理
 
●個人か法人か、今後の方針
クリニックの節税を考える上で、「個人か、法人か」すなわち、医療法人を目指すかどうかは大きな前提です。それぞれの形態で、できること、できないことがあります。
運営的な側面からいえば、医療法人化の分水嶺は、分院展開の有無です。一医院でやっていく場合は、個人形態でも問題ないでしょう。
また、資金的な側面からいえば、医療法人化の分水嶺は、院長・奥様を除く常勤職員が5名になるかどうか、です。4名以下であれば、個人形態をお勧めします。
クリニックを運営していく上で、様々な場面で税と社会保障に関する負担が課せられますが、法人・個人間で最も負担に大きく変化が生じるのは社会保険(健康保険及び年金)です。
なぜかというと、個人形態の場合、4名までは社会保険への加入は任意である一方、法人形態であれば、社会保険への加入が強制されるためです。給与の高額な院長や奥様も含めて加入が強制されるので、負担は結構な額になります。
よく「所得が800万円を超えたら医療法人化しましょう」と言われますが、あまり気にしないでいいと思います。所得が800万円を超えても、個人形態のまま十分な節税パフォーマンスを出すことはできます。むしろ、気にすべきは社会保険負担増の影響です。
さて、固定資産の処理や資金対策についてを、次のコラムでお話ししたいと思います。
 
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代表:朴 賢大 / Boku Yoshiharu
略歴:福岡県北九州市出身、昭和54年11月生
愛光学園高等学校、東京大学 工学部 電子工学科、九州大学 医療経営・管理学専攻
新日本有限責任監査法人、税理士法人恒輝
資格:公認会計士、税理士、プロフェッショナルCFO,医療経営士3級
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